菅生沼の野焼き

2010年01月30日

菅生沼の野焼き(6)白鳥の泥歩き

菅生沼の野焼き(6)白鳥の泥歩き
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

 菅生沼には毎年300羽を超える白鳥が飛来し多くの人々の心を楽しませてくれています。
群れになって飛び立つ姿はダイナミックで、かつ飛行姿勢は実に美しいものがあります。

 白鳥は湖で優雅に泳いでいるイメージがありますが、野焼きのあった菅生沼下流部は水位が浅く泥が見えている部分が多くあり、本来なら水をかく足で泥をかくように歩いています。
頭を泥の中に突っ込んで餌を探しても、泥の付いた頭を洗ってくれる水がありません、黒鳥のような白鳥です。

 白鳥を見るためのお勧めポイントは天神山や茨城県自然博物館付近で、きれいな白鳥が観察することができます。
 白鳥は親子の家族単位で行動する性質があり、秋に日本に家族で渡ってきた頃には灰色の幼鳥を伴っています。一冬暖かい水辺で餌をとり、3月には元気に北に帰るときも家族で飛び立ちます。
家族のうち一羽でも傷ついたものがいると、その回復を待ついつまでも帰らない白鳥を目撃することがあります。
菅生沼の野焼きハクチョウ菅生沼の野焼きハクチョウ







菅生沼の野焼きハクチョウ菅生沼の野焼きハクチョウ







菅生沼の野焼きハクチョウ菅生沼の野焼きハクチョウ

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2010年01月29日

菅生沼の野焼き(5)葦焼き

菅生沼の野焼き(5)葦焼き
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

 オギ原がきれいに焼けたあとは柳の並木の北側に残るヨシ原の野焼きに移ります。
何故かヨシは燃えにくいようです。
数人でヨシ原の数ヶ所に火入れをするもののなかなか燃えず、全員集合して記念写真を撮っているときに黒煙とともに赤い炎が水面に映りました。

人と自然とのかかわりが大切
タチスミレやハナムグラは草刈りや火入れなど人の生活と関わりの中で生育する性質をもち、自然のままでは衰退する植物であると考えられます。
長い歴史の中で人の生活が植物の保護に役立っていたにも関わらず、近年人々が大地から離れた生活を選んだため生育できない植物があるということを知りました。

 何か自然保護のためにできる小さなことを見つけましょう。
自分としては耕作放棄地を借りて30年来作っている家庭菜園について、無農薬有機栽培を続けていくこと、周囲に増える耕作放棄地を畑に返すことをやっていきたいと思っています。
菅生沼の野焼きヨシ菅生沼の野焼きヨシ







菅生沼の野焼きヨシ菅生沼の野焼きヨシ






菅生沼の野焼きヨシ菅生沼の野焼きヨシ

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2010年01月28日

菅生沼の野焼き(4)火消し隊

菅生沼の野焼き(4)火消し隊
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

脱兎
燃え盛る火炎の中から飛び出して、沼地を走り飯沼川を渡った生き物を目撃しました。
それは薄茶色をした一羽のウサギ、野ウサギでした。
「丸焼きにされてはたまらぬ」と必死の形相で逃げ出し、イヌ掻きで川を泳ぎきり対岸の草むらに逃げ込みました。
(ウサギも泳げるんだ!「必死の思いをすれば何事も成し得る」)


☆火入れする人ありて火消しする人もあり。
火消し隊はボランティアとして参加した、大学生が務めます。
水20リットル入りのジェットシューターを背負い、防火帯周辺の残り火を消したり、柳の木に燃え移るのを防止する役目を担います。

タチスミレの回復
火入れによるタチスミレ個体数の変化を調べるため、2×8メートルの枠内の数を調べると
2003年・・・15株
2004年・・・1039株
2006年・・・1703株
確実に増加傾向がみられる。
菅生沼の野焼き火消し菅生沼の野焼き火消し






菅生沼の野焼き火消し菅生沼の野焼き火消し







オギの原が焼き払われた様子。
今回はきれいに焼けて、向こう側の立ち木や人が見通せるようになりました。
菅生沼の野焼き火消し菅生沼の野焼き火消し







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2010年01月27日

菅生沼の野焼き(3)野焼きの温度状況

菅生沼の野焼き(3)野焼きの温度状況
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

火炎地獄・燎原の火
 乾いた枯れ草は燃えやすくオギ原に点火するとまたたく間に燃え広がります。
オギが密集したあたりの炎は天を焦がすほど吹きあがり、堆積した枯れ草からは黒煙が立ちのぼり、火炎が風を呼び、灰が舞う。炎と黒煙と風が渦巻き「ゴーゴーッ、ドッドドドーッ、ドッドッドドーッ」と地鳴りのような音が聞こえてきます。
竜吐火炎の如し、まさに「燎原の火」、灼熱地獄。
そばで写真など撮っていられない、一時風上に避難します。

◎野焼きの温度
今回指導いただいた野焼きの研究で知られる岐阜大学の津田准教授は、温度計を数か所に設置して温度を記録しており、その温度は地表面よりの高さで次のような値が観測されています。
100センチ・・・200〜300℃
30センチ・・・・500℃(最高温度)
0センチ・・・・・20〜40℃(ほんわかあたたかい程度の上昇)
-2,-5,-10センチ・・地下では温度の上昇はない

このことから多年草であるタチスミレの根っこは焼けずに保護され、3月になるとあおい新芽が発芽することが期待されます。
菅生沼の野焼きオギ菅生沼の野焼きオギ







菅生沼の野焼きオギ菅生沼の野焼きオギ







菅生沼の野焼きオギ菅生沼の野焼きオギ







菅生沼の野焼きオギ菅生沼の野焼きオギ

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2010年01月26日

菅生沼の野焼き(2)オギ原に火入れ

菅生沼の野焼き(2)オギ原に火入れ
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

★野焼きとは
草原に火を入れることを「野焼き」と呼び、湿地のヨシ群落を焼くことを「葦焼き」とも呼んでいます。また山のススキを焼くのを「山焼き」といいます。
「野焼き」はダイオキシン問題とは無縁であり、またCO2排出量も問題ありません。
(カーボンユートラルという考え方・・・植物が成長のため取り込んだCO2が野焼きで排出されるだけ。)

★点火・11:00頃
防火帯が完成するといよいよ、枯れ草に点火することになります。
柳の防火帯の下手はオギの原、約4haの広さがありここを先に焼きます。
カセットボンベ式のガスバーナーで風上から風下に向かって数か所に点火していきます。
オギの原は燃えやすく、またたく間に赤い炎が渦巻き、黒煙があがり、火炎地獄を目の当たりにみるようです。

★野焼きの効果
・灰や炭が落ちて、植物の栄養となる。
・地表面に直接日の光がさすことになり、地温が上昇し植物がよく育つ。
・熱により、種が発芽しやすくなり、植物群落が活性化する。


 かつて農村では土手や畔の草を焼き害虫退治が行われていましたが、農家の野焼きも消防署に事前届けが必要な自治体が多く面倒なので、「畦焼き」もあまり見られなくなりました。
我が家の家庭菜園の周りでは耕作放棄地が増えて、枯れ草でニジュウヤホシテントウムシダマシなどの害虫の卵が越冬しているらしく、6月以降ジャガイモや茄子の作物の葉を食い荒らし手を焼いています。
草を焼きたいのですが野火が怖くて躊躇しています。

菅生沼の野焼き点火菅生沼の野焼き点火







菅生沼の野焼き点火菅生沼の野焼き点火







菅生沼の野焼き点火菅生沼の野焼き点火







菅生沼の野焼き点火菅生沼の野焼き点火

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2010年01月25日

菅生沼の野焼き(1)目的と防火線作り

菅生沼の野焼き(1)目的と防火線作り
◆日時:[2010]平成22年1月24日(日)9:00〜12:00
◆場所:常総市菅生町無量寺下菅生沼
◆集合:菅生大橋下空き地
◆目印:法師戸水門(こげ茶色の巨大な建造物)
◆問合:坂東市大崎ミュージアムパーク茨城県自然博物館
◆目的:絶滅が心配される植物の生育環境を守る

(1)目的・絶滅危惧種のタチスミレを守る
 菅生(すごう)沼における野焼きはミュージアムパーク茨城県自然博物館が毎年実施しているイベントです。
この日の参加者は博物館職員、地元住民や大学生、環境保護グループの人たちおよそ150人。
場所は菅生沼の下流部、飯沼川として流れ出す付近でタチスミレが生育しているヨシの湿原です。
 伸びたヨシやオギを焼き払うことで、枯れ草などが地面に堆積することを防止し、貴重な植物の発芽を促す狙いがあります。

防火線作り 
 午前9時ころ菅生大橋下空き地で参加者の登録を行い、説明が行われたのち堤防内の湿原に移動します。
作業場所では防火線を作る場所やヨシの刈り方などの細かい作業の説明がありました。
浚渫用の鉄板道の脇と、オギ原とヨシ原を分ける柳の木の下の枯れ草を刈り取りどかして、防火線をつくりました。

貴重な資源だったヨシやマコモ
 かつて少年の頃ふるさとの川で川泳ぎをしながら、ホテイアオイを集めて浮き袋をつくり、マコモの新芽を泥の中から抜き取りおやつとして食べた思い出があります。
またヨシを材料に粽を作ってもらいました。
水辺のヨシやマコモ、ホテイアオイを刈り取って牛や鶏の餌にしていました。
ヨシの間で甲羅干しをするカメをつかまえておもちゃ代わりにしました。
小正月には岸に生える柳の枝を採りナラセ餅を作りました。
 生活様式の変化と共に水辺との関わりが消えてしまいました。

集合防火帯作り集合防火帯作り







集合防火帯作り集合防火帯作り








左・・柳の木の下の刈り取り作業
右・・枯れ草が刈り払われて防火線づくり完了
集合防火帯作り集合防火帯作り








集合防火帯作り集合防火帯作り

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