常陸大津の御船祭

2009年05月01日

常陸大津の御船祭海上渡卸(5)

常陸大津の御船祭 海上渡卸(かいじょうとぎょ)(5)
開催日:平成21年4月26日(日)9時〜16時
開催場所:漁業歴史資料館よう・そろー〜大津漁港内

 江戸時代から伝わるとされる御船祭で「海上渡御」が為されたのは今回がはじめてです。
従来は木造漁船を借上げて、路上渡御する出発地に近い造船所から道路に上げていたのに対して、今回は、祭事船が保存されていた漁業歴史資料館と造船所は港の南北正反対、距離にして1kmほども離れているためです。

 午前中の難航苦行でようやく祭事船を海上に降ろすことができ一安心、休憩時間の間に雨で濡れた着替えをし、腹を満たして元気の出る薬も投与したようです。
きれいに晴れた午後1時、保存会の人たちは祭事船に景気よく大漁旗をたて囃子手も乗り込みます。
 
 囃子手は小太鼓に小学生3人、大太鼓と鉦に中学生1人ずつ、横笛は大人7人の構成です。お囃子は3曲(曲目は不明)、にぎやかに囃子ながらの出発です。

 この祭事船にはエンジンも舵も無いため、漁船に曳かれて御船置場まで海上を渡御しました。
御船祭海上渡御09-04-26御船祭海上渡御09-04-26






御船祭海上渡御09-04-26御船祭海上渡御09-04-26






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2009年04月30日

常陸大津の御船祭海上渡卸(4)方向転換

常陸大津の御船祭 海上渡卸(かいじょうとぎょ)(4)
開催日:平成21年4月26日(日)9時〜16時
開催場所:漁業歴史資料館よう・そろー〜大津漁港内

 5月2日〜3日に行われる「常陸大津の御船祭」に使う祭事船を漁業歴史資料館「よう・そろー」から曳き出し、大津漁港内の船曳き場まで曳航する海上渡御が行われました。

その手順は
1.台車に載せられ保存されていた祭事船を台車ごとレールにそって押し出す。
2.2年余り保存されていた間に木が乾燥し隙間ができたので、水漏れヵ所に杉の皮を打ち込み塞ぐ。
3.50トンラフタークレーンで吊り上げて、駐車場に仮置きする。
4.50トンクレーンを道路に近い位置に移動
5.駐車場に仮置きした祭事船を吊り上げて、道路に降ろす。
6.クレーンで岸壁まで曳く。
7.岸壁で方向転換をする。
8.クレーンで吊って、海上に降ろす。


 岸壁に対して直角に曳いてきた祭事船を、岸壁に横着けするためにはどうすればよいか。
クレーン車は自由にハンドルをきって横向きになりますが、曳いている祭事船にはエンジンもハンドルもなく曲げようがありません。
そこでとられるのがマクラを使う方法です。

 カーブを描くようにソロバンを敷き、カーブの外側を高くします。
ソロバンの下にもう一台ソロバンを敷きその高低差で船の針路を曲げる方法がとられます。
文字で書けばこれだけ。
この難攻苦行の力技を現地で見ることをおすすめします。

 4月26日の祭事船の移動にはクレーン車で曳く方法をとりましたが、お祭り本番では全て人力で大騒ぎしながら曳きます。その様が見ものです。

お船祭海上渡御09-04-26(3)海上へお船祭海上渡御09-04-26(3)海上へ






お船祭海上渡御09-04-26(3)海上へお船祭海上渡御09-04-26(3)海上へ






お船祭海上渡御09-04-26(3)海上へお船祭海上渡御09-04-26(3)海上へ






お船祭海上渡御09-04-26(3)海上へお船祭海上渡御09-04-26(3)海上へ

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2009年04月29日

常陸大津の御船祭海上渡卸(3)岸壁まで

常陸大津の御船祭 海上渡卸(かいじょうとぎょ)(3)
開催日:平成21年4月26日(日)9時〜16時
開催場所:漁業歴史資料館よう・そろー〜大津漁港内

 5月2日〜3日に行われる「常陸大津の御船祭」に使う祭事船を漁業歴史資料館「よう・そろー」から曳き出し、大津漁港内の船曳き場まで曳航する海上渡御が行われました。

その手順は
1.台車に載せられ保存されていた祭事船を台車ごとレールにそって押し出す。
2.2年余り保存されていた間に木が乾燥し隙間ができたので、水漏れヵ所に杉の皮を打ち込み塞ぐ。
3.50トンラフタークレーンで吊り上げて、駐車場に仮置きする。
4.50トンクレーンを道路に近い位置に移動
5.駐車場に仮置きした祭事船を吊り上げて、道路に降ろす。
6.クレーンで岸壁まで曳く。

 天気予報では雨があがるはずでしたが、降りしきる雨の中ずぶぬれになりながらの作業になりました。
ソロバンの上に祭事船を載せ、クレーン車でゆっくりと曳いては止まり、船尾のソロバンを前に担いで送りながらの作業を繰り返します。
ソロバンはヤマザクラなどの広葉樹を材料に井桁状に組んだ木枠で、両端がテーパになっており、船の両側から投入することにより溝状になった部分を船の底が滑るように進みます。
お船祭海上渡御09-04-26(2岸壁までお船祭海上渡御09-04-26(2岸壁まで






お船祭海上渡御09-04-26(2岸壁までお船祭海上渡御09-04-26(2岸壁まで






お船祭海上渡御09-04-26(2岸壁までお船祭海上渡御09-04-26(2岸壁まで






お船祭海上渡御09-04-26(2岸壁までお船祭海上渡御09-04-26(2岸壁まで

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2009年04月28日

常陸大津の御船祭海上渡御(2)祭事船の曳き出し

常陸大津の御船祭 海上渡卸(かいじょうとぎょ)(2)
開催日:平成21年4月26日(日)9時〜16時
開催場所:漁業歴史資料館よう・そろー〜大津漁港内

 本来お祭りは祭本番のみを鑑賞すべきですが、お祭りの準備や段取りも案外おもしろいものです。
(栃木県烏山の山あげまつりでは舞台背景をつくる「山あげ」作業を手際よく行う若衆の一糸乱れぬ息の合った行動は見ごたえがあります。)

 常陸大津の祭事船引き出し作業も圧巻でした。
5月2日〜3日に行われる「常陸大津の御船祭」に使う祭事船を漁業歴史資料館「よう・そろー」から曳き出し、大津漁港内の船曳き場まで曳航する海上渡御が行われました。

その手順は
1.台車に載せられ保存されていた祭事船を台車ごとレールにそって押し出す。
2.2年余り保存されていた間に木が乾燥し隙間ができたので、水漏れヵ所に杉の皮を打ち込み塞ぐ。
3.50トンラフタークレーンで吊り上げて、駐車場に仮置きする。
お船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出しお船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出し






お船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出しお船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出し






お船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出しお船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出し






お船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出しお船祭海上渡御09-04-26(1)お船引き出し

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2009年04月27日

常陸大津の御船祭海上渡御(1)新造船

常陸大津の御船祭海上渡御(1)新造船
5年に一度甦る 陸で行う船出祭
木造船に神輿を乗せて大津町の道路を引き回す全国唯一のお祭りです。

4月26日(日) 海上渡卸(かいじょうとぎょ)
          午前9時〜 開催場所/大津漁港内

(以下の記事は2006-10-01撮影データによるものです。)
祭事船の新造
 御船祭の祭事船は専用の木造船がなく、その都度木造の漁船を借り上げ飾り付け「御船」として使ってきましたが、近年漁船はほとんどFRP船が主流となり、次回御船祭の際に木造船を借り上げできる目途がありませんでした。
 
 また終戦後の木造船全盛期には大津港の船大工は40人ほどいましたが、現代ではその技術をもった人は3人の高齢者だけとなり後継者もいないので、木造船が必要になったとき新たに作れるかどうか危惧されました。

 そこで祭事専用の木造船を作る最後のチャンスとして平成18年9月3日造船所の地鎮祭を行い、3人の船大工の協力のもと新造船の製作がはじまりました。
 
 船の大きさは前兆5メートル、幅3メートル、重さ約7トン。
船腹の曲線にそって板を曲げるには専用の万力で締めあげながら、油を塗った板をバーナーで焼いて柔らかくしてさらに万力でカシメていきます。
大津港船新造06-10-01大津港船新造06-10-01






大津港船新造06-10-01大津港船新造06-10-01






大津港船新造06-10-01大津港船新造06-10-01

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