2012年02月27日

二本松伝統芸能祭(1)請戸の田植踊り

第14回にほんまつ伝統芸能祭
[日時](2012)平成24年2月26日(日)10:00〜17:30
[場所]二本松市民会館

美しい請戸の田植踊り
福島浜通り地域で行われる田植踊りの中でもっとも美しいといわれるのは浪江町請戸の田植踊りです。
この日の踊りは今まで以上に美しいものでした。

きびきびとまたしなやかな子供たちの立ち居振る舞い、すっと伸びた指先に意識が注がれています。
津波と原発震災で背負ったあまりにも大きな悲しみの為か、固いままであったものの凛とした表情が舞台の空気を引き締めています。

その不憫さを思い展開する美しい所作を見ると、涙が流れてしかたなくカメラを構えて涙を隠さざるを得ない状況です。

東日本大震災と原発震災
過去何度か撮影に請戸に出向きましたが、浜沿いに集落があり漁港があり、国道側に広い田んぼが広がる半農半漁の地区でした。

津波によって、480戸630棟の建物はすべて流され、187名の住民がなくなり今も40人ほどが行方不明になっています。
集落の中心、お祭りの行われていた草野神社は基礎だけになり、宮司さん夫妻もなくなりました。
さらに原発事故によりふるさとを追われ、家族もお隣も散りぢりに避難する事態となり、転々と流浪の生活に落とされてしまい、悲しみつらさはなおいっそう増すばかりです。

お爺さん、お姉ちゃんがなくなった子供も踊っています、消防団だった36才のお父さんが今も行方不明のままの紗彩さんも気丈に踊っています。

頑張ってとは言えないけれど、せめて踊っている間だけでも、悲しみを紛らすことができればそれで良い。
請戸の人たちが涙をこらえて踊る姿を見ています、一曲ごとに拍手の渦が沸き起こります。

請戸の田植踊りの復活と伝承
田植踊りの師匠、佐々木さんは3年前にご主人をなくされ、さらに津波と原発事故の3重の悲劇に合い東京で避難生活しながらも「田植踊りしかない、復活しよう」として、資料写真を集め、衣装や道具を作り子供たちを集め、昨年8月21日に「アクアマリンふくしま」で復活公演を果たされました。

郡山市に避難している中学一年の和佳奈さんは「小さい頃から踊りを覚えた。早く請戸に戻りたいけれど、家も学校もみんな流され何もない、田植え踊りだけ残った。これからもずっと伝えていきたい。」大きな悲運の中にあってそのけなげさに涙があふれます。

地域伝統芸能大賞を受賞
このような努力が認めれれ、財団法人地域伝統芸能活用センターから、地域伝統芸能大賞の特別賞受賞の内定をを頂きました。10月26・27・28日公演の予定です。
受賞については、子供たち・保護者・浪江請戸の地区民、そして踊る方・見る方全員へも語法日です。


獅子舞も復活へ
獅子舞は獅子頭・笛太鼓など全て流失をしてしまい、復活を見ておりません
浪江町役場からの紹介で、ナショナルトラストへ獅子頭他の支援を申請したところ支援内定を受けました。
獅子頭の製作に2ヶ月かかりますが、獅子舞と田植踊りの両方を見られる日も近いと思われます。


二本松請戸の田植え踊り二本松請戸の田植え踊り






二本松請戸の田植え踊り二本松請戸の田植え踊り






二本松請戸の田植え踊り二本松請戸の田植え踊り






二本松請戸の田植え踊り二本松請戸の田植え踊り

cjs0188 at 15:30│Comments(10) 福島県二本松市のお祭り・イベント 

この記事へのコメント

1. Posted by 渡部 忍   2012年02月27日 18:54
こんばんは、昨日はありがとうございました、お会いできてうれしく思います。
36歳の彼は、渡辺潤也といい、私たちの獅子舞のメンバーでした、その娘が昨日の紗彩(さあや)です。いつも祖母(昭子さん美容師)と一緒に参加をしてくれて、昭子さんは化粧を担当してくれます。私の家から3軒隣で美容室と潤也が担当していた理容室を開いていました。みんなそれぞれの思いを抱いて踊ってくれます、柳生さんが言うように踊っている、みんなと会っている時だけでもと私も思います。彼女たちは3月以降大きく成長しました、この先も心配ないことを確信しています。
2. Posted by わたなべ   2012年02月28日 00:37
こんばんは、昨日は会えませんでしたね・・・(^_^;)

写真の位置からすると、舞台の右寄りに居られたようですね。
私は、真ん中で写真を撮ってました。

まだ写真整理のほうが終らなくて
ブログでも、やっと19日の状況です・・・(^_^;)

私は、柳生さんのような
ちゃっとした説明のブログになっていないのでお恥ずかしい限りです。
なるべく沢山の写真をアップして
ごまかそうと思ってます。

次回の田植踊りは11日のようなので
それまでには写真整理しようと思っております。
3. Posted by 柳生   2012年02月28日 18:36
渡部様
 美しい踊りを披露していただき感激しまた涙しました。渡部様のコメントを読みながらまた涙がにじみます。
 東京に出ても公演の時には帰りますという子供、都会で勉強して後ふるさとに帰って介護福祉士になるという子供・・・。田植踊りを通してふるさと請戸とつながっているのだと思いました。
 寒い中公演が続き無理をなされているようですが風邪を直してハリのある歌声が聞けるよう願っています。
撮影だけながらできるだけ支援していきたいと思います。
4. Posted by 柳生   2012年02月28日 18:42
わたなべ様
こんばんわ、返事が遅れても申し訳ありません。
茨城からだと高速で3時間近くかかり着いたのが11時頃でしたのでお話する時間がとれず撮影をしていました、失礼しました。
それぞれのできることで請戸田植踊りを支援していきたいと思います。11日もよろしくお願いします。
5. Posted by 渡部 忍   2012年02月29日 15:50
柳生さんこんにちは、11日は今のところ11時30分開始で、8時30分集合の予定です。
雪が降らなければいいのですが。
私は何年か前、常陸那珂の火力発電所にバイオ燃料の試験焚きのため、8ヶ月東海村に住んでいました、柳生さんが日立市なので何か懐かしい気持ちがします。
今もたまにですが仕事で那珂火力に行くことがあり、そのたびに以前住んでいたアパートの前を通っています。
私は寅年なので虚空蔵様にもよくお参りをし、春には阿漕が浦で花見をしました。
良い思い出です。
6. Posted by 城崎〜但馬〜魅力発見   2012年02月29日 16:58
地元ならではのコメントが多い中、遠く離れた兵庫からコメントです。

震災から一年近くたち、離れた地域では記憶が薄れていく中、こちらのブログに出会い、記事を見させていただき、被災地の皆様の生活や心情に触れる機会があったことを幸せに思っております。

苦難や悲しみを乗り越え、伝統を伝える若い力に涙する記事でした。

これからも、北関東や東北の力となる記事を書かれることを期待しております。

by きのさき
7. Posted by 柳生   2012年03月01日 11:00
渡部様へ
11日の連絡いただきありがとうございます。雪に慣れない茨城から雪の福島へは車が怖いですが、高速は除雪してあるので何とか運転できます。
東海村に住んでいたとは奇遇です。
事務所のあるところから東海村は久慈川をはさんですぐ隣、那珂火力の煙突が窓から見えます。モクモク白煙が上がっています。
私も毎年虚空蔵様のお祭り、阿漕が浦の桜祭りなど撮影に出かけます。
虚空蔵様には牛と虎の狛犬?(狛牛?狛虎?)が鎮座しているので寅年の方の厄除けには霊験新たかです。
8. Posted by 柳生   2012年03月01日 14:43
きのさき様
遠方よりコメントいただきありがとうございます。
お祭りやイベントなど民俗行事、人々の暮らしに興味を持ち、千葉〜茨城〜栃木〜福島の行事を取材しながら歴史の勉強をさせてもらっています。
3・11東日本大震災に軽微ながらも被災して落ち込んでいましたが、お祭り行事によって被災者を勇気づけられることを知って、取材を再開しようと思っています。
昨年の11月に故郷徳島の学校のクラス会があり、香住海岸でカニ三昧、出石城跡で出石そばをたべ、豊岡のコウノトリの郷公園を見学しました。数年前には香住海岸遊覧船、玄武洞、余部鉄橋見学した思い出があり、奇遇ながら今後ともよろしくお願いします。
常陸大宮の西方寺の枝垂れ桜も毎年UPします。西方寺つながりで。
9. Posted by わたなべ   2012年03月01日 21:15
こんばんは
茨城からだと福島まで高速で3時間もかかるんですね。
私は3時間もかかると考えると躊躇してしまいますが
柳生さんの姿勢は凄いと思います。

私は、祭礼行事の写真を撮ることが多いですが
ここのように、祭礼の背景をちゃんと説明して
写真とともにアップが、なかなか出来なかったりします・・・(^_^;)
(先日の伝統芸能祭でも、倭姫の舞を見てなかったりします・・・)

石井の田植踊りについては
見たかったので残って見たのですが
山形や岩手と同じような形態でした。
それを踏まえて「請戸の田植踊り」を考えると
内陸と海沿いでは相当違うというのを
再認識しましたよ〜〜〜
10. Posted by 柳生   2012年03月02日 12:09
わたなべ様
コメントいただきありがとうございます。
帰りも急いで、2時頃に帰ってしまい「石井の田植踊り」は見ないままでした。いずれ現地のお祭りの時に行かれればと思います。
山形の米沢には、一度行ったことがあります。上杉神社だったか、その周辺の町並み近代建築の学校や蔵を見て回った記憶があります。
おきたま地域のお祭りや上杉合戦?なども見に行きたいと思いつつまだ果たせずにいます。

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